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Tokyo Santa (1998年2月号)

『 伝説 of KICHIJOJI 』


名店が多い[その秘密を握っていたのは、この男!]
吉祥寺に12店を持ち、その多くが広く知られている。そんな敏腕経営者の野口さんが、店事情のカギを握ってる?てな訳で、お話を伺ってまいりました。
仕事を始められたのはいつ頃ですか?
「大学卒業して、1年位丁稚奉公に出されて、それから。親父が銀座で純喫茶をやってたんですが、体壊して母親と交替。その後もう1軒店をってことで出店したのが吉祥寺。2軒純喫茶を出して、その2軒目がパルコの辺り。そこの地下を途中からジャズ喫茶にしたんです。高校でバンドやってて、ジャズがすごく好きになった頃です」
50年代末くらいはヌーベルバーグ映画のサントラにアートブレイキーなど、当時で言うモダンジャズが使われていた。サントラに使われる位だから、進歩的でクリエイティブな音楽だった。
「とにかく大変なモダンジャズブームで、そのころパルコのとこのB1の店を『Funky』と改名して、ジャズ喫茶にしたんです。僕が仕事を始めてからは、建物のB1から2階まで全部ジャズ喫茶にして、各フロアに違った世界の名器、サウンドシステムを置いた。各階で違う音が楽しめる、と。今だとチャンチャラおかしいんですが(笑)、当時は家庭に良い器械がなかったんで結構お客さんにウケたんですよ」

吉祥寺住まいは学生時代からだそうだが、住むうちに良さに気付いたとか。「すごく正直な街で色々な可能性を持ってる」と評する野口さん、現在の吉祥寺は「全てを包括する街」だと言う。

「その反面、変わった店が減ってるのはすごくくやしいですよ。僕自身変わった店をやりたいといつも思ってるんですが、客観的には見れないからなあ。店名もわざと皆変えてるんだけど。やっぱり吉祥寺にしかない店、特徴のある店っていう方が面白いよね」
最後に、野口さん自身が好きな(自分の店以外の)店を教えていただいた。
「井の頭線のガード下にある『豊後』、あと『晩酌や』にちょっと上品な感じの『?』、『前菜屋』。少し離れるけど、中道通りの先、横川電機の前にある『九坪』あたりかな。基本的に1店主1店舗ってのが好きなんです。自分の店も、そういう感じを目指してるんですよ」




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